審査員

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審査員長・副審査員長

©Angelo Cricch
 

審査員長

ジュリエット・ビノシュ

(俳優|フランス)

1964年パリ生まれ。フランス国立高等演劇学校で学ぶ。『ポンヌフの恋人』でヨーロッパ映画賞女優賞。『トリコロール/青の愛』でヴェネツィア国際映画祭女優賞、『イングリッシュ・ペイシェント』でベルリン国際映画祭銀熊賞、『トスカーナの贋作』でカンヌ国際映画祭女優賞と、史上初めて三大映画祭で女優賞を受賞。カブール映画祭、ベルリン映画祭で審査員長を務める。近作に河瀬直美『Vision』、是枝裕和『真実』、アサイヤス『ノン・フィクション』(近日公開予定)など。舞台出演作にパリでのコンチャロフスキー演出『かもめ』、ロンドン・アルメイダ劇場でのジョナサン・ケント演出『裸』、ブロードウェイでのルヴォー演出『背信』、11カ国でツアーしたアクラム・カーンと共同演出のダンス・演劇ショー『in-i』、パリとロンドンで上演されたフィスバック演出『令嬢ジュリー』、ツアー中のイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出『アンティゴネ』など。

HIRO KIMURA

副審査員長

夏木マリ

Mari Natsuki Terroir (MNT) 主宰|日本

1973年歌手デビュー。1980年代から演劇にも活動の場を広げ、芸術選奨文部大臣新人賞など受賞。1993年から自らによる演出作品、「印象派」シリーズを制作。ソロワーク8作では、国内だけでなく、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ワシントン、アヴィニョン演劇祭、エディンバラ国際フェスティバル他、海外公演も多数。その後、東京都現代美術館での「イン・トランジット」公演を経て、主宰カンパニーMari Natsuki Terroir(MNT)を設立。これまでにカンパニーワークの印象派NEOシリーズ3作品を発表し、最新作ではルーヴル美術館公演も成功におさめた。「印象派」をコンセプチュアルアートシアターと銘打ち、身体能力を極めた独自の芸術表現を確立、この活動の功績に対し、モンブラン国際文化賞を受賞。また音楽活動も勢力的に展開、映画出演も多数。支援活動「One of Loveプロジェクト」を設立し、社会貢献活動にも尽力するなど、その活動は多岐に渡る。公益社団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問に就任。
 
Natsuki Rock
https://www.natsukirock.com

アーティスト審査員

「アーティスト審査員」はアジア、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカの5地域それぞれの舞台芸術界で、舞台芸術の新たな価値観を提案してきたアーティストたちです。
アーティスト審査員と審査員長・副審査員長はワールドコンペティション全演目を観劇し、11月4日の「アーティスト審査会」で一般公開の議論を行い、最優秀作品賞・最優秀パフォーマー賞・最優秀スタッフ賞の三賞を選定します。
異なる背景をもつ、世界をリードするアーティストたちが、作品をめぐる対話と議論を通じて、2030年代以降の世界基準を探っていきます。

ASIA | アジア

ヤン・ジョンウン

演出家、劇団旅行者(ヨヘンジャ)芸術監督ソウル、韓国

1968年ソウル生まれ。演劇・舞踊・ミュージカル・オペラなど様々なジャンルで演出家として活動。2018年、平昌冬季五輪開会式の総合演出を行い、世界中で賛辞を受けた。また、韓国人として初めてシェイクスピア・グローブ座(ロンドン、2012年)、バービカン・センター(ロンドン、2006年)、ベルリン・ドイツ座(2016年)に招聘され、カイロ国際実験演劇祭(2003年)、グダニスク国際シェイクスピア・フェスティバル(ポーランド、2006年)等で大賞と観客賞を受賞し、韓国を代表する国際的な演出家となった。代表作『真夏の夜の夢』は、シェイクスピアの原作に鬼を登場させ、韓国的な感覚で再創作し、エジンバラ・フェスティバルを始め40カ国以上で賞賛された。他にも、イプセン作の『ペール・ギュント』や、韓国国立オペラ団で『天生縁分』を演出。また、世田谷パブリックシアターと新国立劇場作品に参加するなど、日本の演劇界とも深い縁がある。現在はソウル芸術大学で、演劇を含めたマルチメディア融合芸術公演分野で教鞭を執っている。
Yohangza Theatre Company
https://yohangzatheatre.modoo.at
http://producergroupdot.kr/
 
 

OSEANIA | オセアニア

レミ・ポニファシオ

振付家/演出家/舞台美術家、MAU創立者・芸術監督オークランド、ニュージーランド)

サモア出身の振付家、演出家、舞台美術家。儀礼的要素・アクティビズム・コミュニティ協働という要素が混じりあったラディカルな作品は世界的に注目され、ニューヨークのリンカーン・センター、アヴィニョン演劇祭、ルール・トリエンナーレ、エディンバラ国際フェスティバル、テアター・デア・ヴェルト、ザルツブルク音楽祭、パリ市立劇場、オランダ・フェスティバル、ウィーン芸術週間や太平洋地域で上演されている。
MAU
http://www.mau.co.nz
 
 

EUROPE|ヨーロッパ

トーマス・オスターマイアー

演出家/ベルリン・シャウビューネ芸術監督ベルリン、ドイツ

1968年、西ドイツ・ゾルタウ生まれ。ドイツを代表する劇場ベルリン・シャウビューネの芸術監督。演出した作品は50を超え、その多くは世界各地の演劇祭や劇場に招聘されている。数多くの国際的な賞を受賞しており、2011年にはこれまでの功績が讃えられ、ヴェネチア・ビエンナーレにおいて金獅子賞を受賞した。
Schaubühne
https://www.schaubuehne.de/
 
 

AFRICA | アフリカ

ブレット・ベイリー

劇作家/演出家/舞台美術家、サード・ワールド・バンファイト主宰ケープタウン、南アフリカ

南アフリカの劇作家、演出家、デザイナー、インスタレーション・アーティスト。南アフリカのみならず、海外ツアーも広く行なっており、国際演劇フェスティバルの審査員も数多く務めている。2001年にはスタンダード・バンク・ヤング・アーティスト賞の演劇部門を受賞、2007年にはプラハ・カドリエンナーレにて舞台美術の金賞を受賞した。2014年にはUNESCO国際演劇協会のワールド・シアター・デイへ向けたメッセージを執筆。2019年、フランスの芸術文化勲章シュバリエを受勲。
Third World Bunfight
https://thirdworldbunfight.co.za
 
 

 AMERICA | アメリカ

エミリー・ジョンソン

振付家、エミリー・ジョンソン/カタリスト主宰マンハフターン/マンナハッタ(マンハッタン、ニューヨーク市)、レナペホーキング(アメリカ合衆国)

身体表現に主眼を置くアラスカ出身、ニューヨーク在住の芸術家。振付家としてベッシー賞を受賞。グッゲンハイム・フェローであり、ドリス・デューク・アーティスト賞の受賞者でもある。ベーリング海沿岸に暮らす先住民族アラスカ・ユピクをルーツに持ち、感覚と視覚に訴えかけるパフォーマンスが特徴。
そのダンス作品は、会場の建築様式や歴史、そしてコミュニティとも共鳴し合い、演じられている空間や環境を通して観客が作品と交流できるインスタレーションとして機能するよう設計されている。
Emily Johnson/Catalyst
http://www.catalystdance.com
 

 

批評家審査員

Profile|プロフィール
 
 

「批評家審査員」は、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカの5地域と日本出身の舞台芸術に造詣の深い専門家たちです。出身地が日本以外の5名は、現在日本を拠点に活動していたり、海外で日本のことを研究していたり、様々な理由から日本語話者になり、日本語話者に向けて語ることを選び取った方々です。多様な背景を持った方々が一般公開で議論し、「批評家賞」を選出することで、「日本語話者のための批評言語」をより豊かにすることを目指しています。コンペティション終了後には、それぞれが執筆した講評もウェブサイトで公開する予定です。

 

ASIA | アジア

李静和(リ・ジョンファ)

政治学者(文化の政治学)、成蹊大学法学部教授済州島、韓国出身/東京、日本在住

成蹊大学法学部教授。韓国済州島生まれ。1988年来日。著書に『つぶやきの政治思想──求められるまなざし・かなしみへの、そして秘められたものへの』(青土社、1998)、『求めの政治学──言葉・這い舞う島』(岩波書店、2004)。編著に『残傷の音──「アジア・政治・アート」の未来へ』(岩波書店、2009)、“Still Hear the Wound, Toward an Asia, Politics, and Art to Come” (Cornell University, 2015)。共著に『スピヴァク、日本で語る』(GC・スピヴァク・鵜飼哲他、みすず書房、2009)、『異郷の日本語』(金石範・崔真碩・佐藤泉・片山宏行、社会評論社、2009)他。 
 

OSEANIA | オセアニア

アダム・ブロノフスキ

演出家/作家/役者、オーストラリア国立大学アジア太平洋カレッジ准教授アデレード、オーストラリア出身/キャンベラ、オーストラリア在住

学者、作家、演出家。1994年から、オーストラリアを始め、海外のアーティストたちと共に作品を創作。現在、人文学・表象学としてのアジア研究、歴史・国際政治研究を教えている。メルボルン大学博士号(日本近/現代史、舞台芸術学)を2012年に取得。2016年には、Cultural Responses to Occupation in Japan: The Performing Body during and after the Cold War (Bloomsbury Academicを出版。また、オーストラリア国立大学にて、社会的・文化的反応における福島第一原発事故の研究を行った(2013-2016年)。現在、准教授と研究家とともに演劇活動を続けている。
 

EUROPE|ヨーロッパ

ビュールク トーヴェ

歌舞伎研究者、埼玉大学人文社会科学研究科准教授パルガス、フィンランド出身/東京、日本在住

ベルリン・フンボルト大学を経て20143月、立教大学日本文学博士課程後期課程修了、博士(文学)。201410月より埼玉大学人文社会科学研究科准教授。慶應大学、立教大学非常勤講師。専門は近世日本文学。おもに17世紀~19世紀の歌舞伎役者、歌舞伎作者、観客らの日記を解読し、当時の歌舞伎の演技や演出を分析し、歌舞伎劇場発展の変遷について研究。歌舞伎や文楽の英語解説や字幕作成も行う。著書に『二代目市川團十郎の日記から見える享保期江戸歌舞伎』(文学通信、20192月)。
 

AFRICA | アフリカ

フォー サミエル

日本文学・演劇研究者、カナダ・ヴィクトリア大学太平洋東アジア学科教授トロント、カナダ出身/ブリティッシュ・コロンビア州ヴィクトリア、カナダ在住

1988年以来ヴィクトリア大学で日本の演劇と文学で教鞭を執る。泉鏡花の戯曲の論考を初めとして、近・現代日本の演劇の研究家。「コロンビア近・現代日本戯曲集」(29014年)や「ケンブリッジ日本演劇史」(2016年)の共編など、歌舞伎から現代までの様々な戯曲を英訳。「東京市民:平田オリザ戯曲集」(2018年)の英訳および編集。
 

JAPAN | 日本

森山直人

演劇批評家、京都造形芸術大学舞台芸術学科教授東京、日本出身/京都、日本在住)

1968年生まれ。京都造形芸術大学芸術学部舞台芸術学科教授、同大学舞台芸術研究センター主任研究員、及び機関誌『舞台芸術』編集委員。KYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭)実行委員長。主な著書に『舞台芸術の魅力』(共著、放送大学教育振興会)等。18年よりブログ『劇評1819+』を共同で立ち上げている。主な論文に、「「現代日本演劇」という「実験」――批評的素描の試み」(『舞台芸術』22号)、「〈オープン・ラボラトリー〉構想へ:「2020年以後」をめぐるひとつの試論」(『舞台芸術』20号)、他。