『紫気東来-ビッグ・ナッシング』/“东来紫气满函关(Big Nothing)”
東京芸術祭ワールドコンペティション2019最優秀作品賞受賞
『紫気東来-ビッグ・ナッシング』
“东来紫气满函关(Big Nothing)”
戴陳連(ダイ・チェンリエン)/Dai Chenlian (北京、中国)
怪談と幼き日々の思い出、夢と現実が交錯する影絵芝居
ユーモアと狂気、ナンセンスの先に拓けるのはー
幼少期の日常生活の想い出や中国・唐代(9世紀)の怪異記事集成『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』をもとに、個人的な記憶と怪談、夢と現実を交錯させた影絵芝居。
『酉陽雑俎』全30巻は、同時代に書かれた多くの書物と異なり、道徳的な教訓話ではなく、腕に口が生えてきて食事を要求する話、男が仏塔になってしまう話など、一見ナンセンスな話にあふれている。中国近代文学の父・魯迅はこれを愛読し、自らも、蛇の精が美しい女性に化ける話などを書き残している。戴陳連は幼い頃、紹興市で祖母と過ごしていた。その祖母が、同じく紹興市出身の魯迅と混じり合っていく。
戴陳連は手作りの影絵を操り、時にその世界の住人ともなる。そこではほのぼのとしたユーモアが時として不気味な狂気を帯び、ナンセンスが時として新たな意味を生じさせる。
戴陳連 (ダイ・チェンリエン)
美術家、演出家。1982年、中国浙江省紹興市に生まれる。2004年に中央美術学院卒業後、2006年より創作活動を開始。物語、演技、音響、照明、舞台美術、そして身ぶりといった演劇を構成する要素を細かく分解し、作品制作のプロセスや思考の流れが観客にも伝わるような作品をつくってきた。空間構成、舞台美術、照明、収録音声、写真や映像、人形、詩の朗読、音楽などの多様な手法が組み込まれた作品には、彼が日々のニュースや人々との出会いの中で見つけた様々な物語が反映されている。変わりゆく社会の中で見落とされがちな市井の人々の感情や出来事を見つめ、生き延びるために失ったものや運命の変転を、創作を通じて描き続けている。他の代表作に『春の河、東へ流る IV』(2015年)、『海上の明月、潮と共に生ず』(2017年)、『秦を望む』(2019年)など。
http://www.daichenlian.net/
◉映像上映 | 会場:東京芸術劇場 シアターイースト 11月6日(金)、7日(土) *受付開始・開場は開演の30分前(予定) ご予約はこちらから(外部サイト<Peatix>へ移動します) https://competitionbignothing.peatix.com/
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◉映像オンライン配信 |
11月6日(金)-8日(日)13:00- *当日23:59まで視聴可能(映像上映と同内容) ご予約はこちらから(外部サイト<e+ストリーミングプラス>へ移動します) |
【無料配信中】レクチャーパフォーマンス『これは私たち共通の物語』
戴陳連(ダイ・チェンリエン)
『紫気東来ービッグ・ナッシング』作・演出・出演の戴陳連が、2020年のコロナ禍の中、どう演劇や社会と向き合うようになったか、そしてそもそも自身がなぜ舞台に立ち続けるのかを、私たちと共有してくれました。また、皆さんに新作への協力を呼びかけています。(新作のための動画送付先メールアドレス:kuyu524@163.com)ぜひご覧ください。
※動画の中でダイさんが口頭で言っているメールアドレスが間違っています。こちらが正しいアドレスです。
字幕翻訳:陳彦君
翻訳協力:馬場克樹、伊勢康平、ケレブ・リー
作品クレジット
作・演出・出演 | 戴陳連(ダイ・チェンリエン) |
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舞台美術・照明・音響プラン | 戴陳連(ダイ・チェンリエン) |
ドラマトゥルグ | 由密(ヨウ・ミー) |
プロダクションマネージャー | 張淵(ジャン・ユエン)、キム・シヌ |
委託・プロデュース | キム・ソンヒ |
共同製作 | 韓国国立現代美術館(ソウル)、ミン現代美術館(上海)、SPIELARTフェスティバル(ミュンヘン) |
滞在製作協力 | ソウルアートスペースMullae |
『汝、愛せよ』/“Tú Amarás (You Shall Love)”
東京芸術祭ワールドコンペティション2019観客賞受賞
『汝、愛せよ』/“Tú Amarás (You Shall Love)”
ボノボ/Bonobo (サンティアゴ、チリ)
地球外生命体がやってきたー
「差別」を考える医師たちの、ブラックユーモアあふれるディスカッション
チリの医師たちが国際学会でのパネルディスカッションを準備している。テーマは「いかにして差別を克服するか」。近年、数多くの地球外生命体アメニタスが難民として地球にやってきたが、彼らに差別的な扱いをする医師も少なくないという。暴力はなぜ生まれるのか。「他者」を愛することは果たして可能なのか。集団創作のなかで深められた問いが、ユーモアとアイロニーと切実さを込めて私たちに投げかけられる。
ボノボ
パブロ・マンシとアンドレイーナ・オリバリによって2012年に設立。観客の批判精神を触発するような先鋭的な作品づくりを主眼に置く。リサーチとインプロビゼーション(即興)を重視し、全てのメンバーが主体的に関わる集団創作の手法を取り入れた作品群で、チリ演劇界でもっとも有名な若手グループの一つとなった。
これまでに『飼いならす』(2013年)、『野蛮人たちの住むところ』(2015年)、そして『汝、愛せよ』(2018年)の3作品を上演。ドイツ、ベルギー(クンステン・フェスティバル・デザール)、オランダ、スペイン、イタリア、メキシコ、ブラジル、ペルー、チリ(サンティアゴ・ア・ミル・フェスティバル)のフェスティバルに参加し、好評を博してきた。
公式FBページ
アンドレイーナ・オリバリ/パブロ・マンシ
2012年にチリで劇団ボノボを創立。共同ディレクターとして全作品を共同演出してきた。
パブロ・マンシはアカデミア・クラブ・デ・テアトロで演技を学んだ後、俳優として児童青少年演劇の劇団ラ・マラ・クラセ(「悪い教室」)に参加。劇作家としては、『野蛮人たちの住むところ』でサンティアゴ市より最優秀劇作賞を受賞。2017年には、ロンドンのロイヤル・コート・シアターで滞在制作を行い、『ファイト・アゲインスト』を執筆。2020年に同劇場で初演の予定。
アンドレイーナ・オリバリは、ラテンアメリカ文学で学士号を取得するとともに、同じくアカデミア・クラブ・デ・テアトロにて学んだ。俳優、ドラマトゥルク、教育者として活動するかたわら、チリの劇作家イシドラ・アギレに関する演劇リサーチプロジェクトを展開している。
ボノボ『汝、愛せよ』関連オンラインレクチャー
レクチャータイトル:『南米チリの諸相と演劇の変遷』
10月30日(金)19:00~20:30<無料>
レクチャー講師:仮屋浩子先生
南米チリの歴史とその時代ごとの社会の様子、雰囲気。
歴史と共に、チリの演劇シーンはどのように変わってきたのかー
<東京芸術祭ワールドコンペティション2019観客賞受賞>ボノボ『汝、愛せよ』の関連レクチャーをオンラインで行います。
講師にスペイン語圏演劇の研究者である仮屋浩子先生を迎え、作品の背景や文脈への理解を深めたり、舞台上に細かく散りばめられたチリならではの要素を発見する、観劇をより楽しむためのレクチャーです。レクチャー後半では質問も受け付けます。
ぜひお気軽にご参加ください。
ご予約はこちらから(外部サイト<Peatix>へ移動します)
https://peatix.com/event/1665504/view
レクチャーの予約
講師:仮屋浩子
かりやひろこ/ 明治大学教員
スペイン文学、スペイン語圏、カタルーニャ語圏演劇を研究する傍ら、スペイン語で演劇上演を手がけるグループRaíces Teatroを主宰し、在日スペイン語話者のアーティストと作品づくりをするだけでなく、スペイン語圏の劇作家とのコラボや作品の翻訳を行っている。
◉映像上映 | 会場:東京芸術劇場 シアターウエスト 11月6日(金)-8日(日) 17:30-18:55 *受付開始・開場は開演の30分前(予定) ご予約はこちらから(外部サイト<Peatix>へ移動します) https://competitiontuamaras.peatix.com |
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◉映像オンライン配信 |
11月6日(金)-8日(日)17:30- *当日23:59まで視聴可能(映像上映と同内容) ご予約はこちらから(外部サイト<e+ストリーミングプラス>へ移動します) |
作品クレジット
作 | パブロ・マンシ |
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演出 | アンドレイーナ・オリバリ、パブロ・マンシ |
出演 | ガブリエル・カニャス、カルロス・ドノソ、パウリーナ・ヒグリオ、ギレルメ・セプルベダ、ガブリエル・ウルスーア |
デザイン | フェリペ・オリバレス、フアン・アンドレス・リベラ |
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技術監督 | ラウル・ドノソ |
プロデューサー | オラシオ・ペレス |
字幕翻訳 | 古屋雄一郎 |
共同製作 | Espacio Checoslovaquia、テアトロ・ア・ミル基金 |